思えば研修を既に40社以上に提供してきた。その中で多くの気付きを得ながら、サービスの改善をしてきた。本稿では私(中村陽二)がどのような研修を提供することが出来るか、何故取り組んでいるのかを説明していきたい。

研修で取り扱うテーマ

当初は研修を提供しようという考えはなかったのだが、幸いにして多くの相談を頂くようになり取り組みは拡大していった。

当初は新規事業創出やコンサルタントのスキルトレーニングなど短期の取り組みが多かったが、徐々に数ヶ月に渡るプログラムの設計・提供についても相談が増え始めていった。

現在は基本的には事業創出・成長を担えるリーダーの育成に取り組んでいる。

新規事業創出のプログラム例:事前学習・事後フォローアップ・2日間ワークショップ

単発の講演を除いては企業の状況に合わせてプログラムを設計し、提供している。

例えば数多く取り組んだものでは2日間のワークショップを中心とした研修がある。

これは次世代のリーダー層とされる40歳前後の社員らに提供したものである。

まず事前学習として、テキスト提供及びレクチャー動画の提供を行った。

事前学習材料はその企業の歴史、向かいたい方向性、今までの事業成功・失敗経緯を踏まえカスタムメイドされたものである。テキストだとかなり長文になってしまったため、ポイントを短時間で説明した動画も合わせて提供した。

事前学習はテキストを読むのみならず、各々に事業プランを練ってきてもらった。それを2日間のワークショップで一気に磨き上げていくというものである。

2日のワークショップは凡そ以下のようなプログラムで提供した。

Day1

  1. 事業コンセプトの再設計
  2. 高速調査
  3. 論点の抽出
  4. 高速調査
  5. ショートインタビューの実施(研修メンバー間でのインタビュー)
  6. 事業コンセプトの確定

Day2

  1. インサイトの再整理
  2. 高速調査
  3. 収益性計算
  4. 市場規模算出
  5. 事業案のプレゼン化

これは私が「サーキット型のトレーニング」という形式で提供している。

つまり以下を1セットとして、これを繰り返して進めていく方法である。

  1. ワークの説明(10分)
  2. ワークの実施(30-40分)
  3. 発表(1-2分の発表を複数人)
  4. 講評(10分)

実際にやってみると相当のスピードを求められるのでとにかく忙しい感覚になると思う。しかし、時間を限定していかないとすぐに調査というのは情報の海に溺れてしまう。

論点を特定し、必要な情報を特定し方針を意思決定し続けるというサイクルには慣れる必要がある。

事業戦略の立案というのは分からないことだらけである。ただリーダーならば少なくとも「何が分かれば、現在分からないことが分かるのか」という問いには答えることが出来なければならない。

不確実性の中でのリーダーシップも一部磨くことが出来るだろう。データも十分にあり、合意形成がしやすいならばそもそもリーダーなんというものは必要がない。

常にデータも時間も資源も不足している中でもどうするかを決断しなければならないからリーダーというものが必要なのだ。

また1分で端的に結果を発表するというものよい経験だ。時間が限定されていれば必要な情報を端的に述べなければならない。通常の業務でこの能力を磨く場面は限られていることも多い。

ただ相手が重要人物であればあるほど、話しを聞いてもらえる時間というのは貴重だ。そういう人物はなおさらにダラダラと話されることを嫌う。ストレートにポイントを述べることには慣れる必要がある。

研修で重要だと考えていること

忙しい日常業務から半強制的に遮断され、研修に数日間割り当ててもらうわけなので十分な意義を感じてもらわなければならない。

私自身も「勉強になりました・知識のインプットになりました」程度のものは提供したいと思わない。

もっとその数日間でタフな体験をし、参加前後では考え方自体に大きな影響を及ぼすものでなくてはならない。「事業創出のフレームワーク」的なものの他社事例を聞いただけでは、そのようなインパクトは出せない。これはまさしく、本で読めばよいのである(むしろそうあるべきですらある)。

参加者自身がビジネスプランを能動的に考案し、不十分な情報から意思決定を行い続け、チームを率いるような体験をしなくてはならない。そしてそのプランを自信を持って発表し、経営陣を含む他人を動かすような体験をする必要がある。

そして何よりこの過程を楽しい・未知のチャレンジとして楽しんでもらいたい。

研修で提供する内容は毎月のようにアップデートを続けているので相談頂く時期により提供内容は進化していると思う。何かを文章化したり、発表したりすれば、新たな疑問が湧き上がり必然的にアップデートを続けていくことになる。

〇〇プログラムという内容を固定化したものには現状しておらず、カスタムメイドの過程でプログラムを進化させている状況だ。

共に素晴らしいトレーニングを作り上げていきたいと思う。

講演で重要だと考えていること

さて、講演について少し説明しよう。講演については以前より

「何故わざわざコストをかけて直接講演が必要なのだろう?これは同じような内容を文章で伝えるのとは違うのか?」

「特にコロナ禍ではウェビナーというものが多かった。これではリアルの迫力もない。何故わざわざタイミングを同期させて動画視聴に近い体験をする必然性があるのか?」

という疑問を持っていた。

私の中ではこれは決着しておりライブで音楽を聞くのと、音源(ストリーミング等)から聞くのとの違いと解釈している。例え同じ曲だったとしてもこれは別の体験だ。

演者(ここでは私)、観客(参加者)、場・状況が作り出すユニークな何かがリアルにはある。これが講演の価値だと認識している。

そうすると私としては話す内容がその場・状況・参加者に合っていることは勿論のこと、グルーヴ・バイブ・空気感も含めた演出・話し方に力を入れなければならないということだ。

研修って意味ある?

基本的には能力は実務を通じて作り上げたものがほとんどだろう。

これはスポーツでも同様だ。研修というのは例えばテニスを始めるならば定期的に「一段上に上がるための集中トレーニング」に参加するようなものだ。

一段上に行くには自分だけでがむしゃらになりながら努力するよりもコーチに定期的には見てもらって上に押し上げてもらった方が効果的である、ということには異論はないだろう。

研修・トレーニングの存在は自分でがむしゃらに努力することを一切否定するものではなく、むしろ補完として機能する位置づけである。

多くの能力は実務を通じて培われる。その補完、次に行くきっかけを与えるのが研修というものではないだろうか。

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