普段は経営論について主に語る本ブログですが、今回は番外編でフランス語の勉強について解説していきます。
勉強方法の解説コンテンツがネット上に多いわけではなかったので書いてみようと思いました。
独学や単位対策に急ぐ大学生向けに有用なコンテンツとなれば幸いです。
本記事の内容
- はじめに(フランス語勉強のモチベーション・プロフィール)
- 使用教材と活用方法
- 時間が限定されている中で仏検3級に合格したい人向けの勉強方法
- AIの活用
- 得点戦略
- 私の受験結果
- フランス語勉強の効果
はじめに
私は社会人で単位がもらえるわけでもないのになんでフランス語?と感じるでしょう。
きっかけとしては昨年フランス旅行に行くということで簡単な旅行会話用として仏検4級を受験してみたことです。どうせやるなら次は3級か、という旅行会話の延長線で今回も受験しています。
付随的なモチベーションとして、ビジネスパートナーがケベック出身のカナダ人なのでフランス語が話せると会話が少し盛り上がる、将来的にフランスの料理学校にフランス語で通いたい、トリリンガルに憧れるなどのモチベーションは少しあります。
いずれにせよ、特に明確なモチベーションがあるわけではありませんが、80~100時間勉強するために特段強いモチベーションは要求されないでしょう。純然たる興味で申し込んでみてよいと思います。
簡単なプロフィールとしては普通の社会人です。平日まとまった勉強時間を確保するのは結構難しい。また、日・英のバイリンガルです。
受験の経緯としては2025年11月に仏検4級、2026年6月に仏検3級受験となります。
それぞれに対して投入時間はおよそ40時間づつ程度だと思います。合計約80時間ですね。
使用教材
主に使用した教材は以下となります。
- 過去問『仏検公式ガイドブック3級・4級・5級』(2025年・2026年版)
- 問題集『仏検3級スピード合格』(練習用)
- 教えて仏検先生!3級(中核教材)
記憶のリフレッシュ用として「文法書『フラ語入門、わかりやすいにもホドがある!』」をパラパラとは見ました。
ポイントとしてはあまり使用するテキストを分散させないことです。試験というのは基礎問を確実に解ければ相当な高偏差値を取ることが出来ます(受験生時代の教訓)。当たり前を当たり前に出来る。これで多くの競争に勝てるはずです。
仏検3級レベルでは多くありませんが、難問・奇問は捨ててよいのです。
基礎問をミスなく確実に解くことを基本戦略とするとよいでしょう。
単語帳は非効率な印象を受けたので結局やりませんでした。問題を解く過程で遭遇した分からない単語を調べた程度です。ただし、言語というのは結局語彙力が極めて重要なのは間違いないので今後はやっていこうと思います。
とにかく時間投入を決意しよう
4級受験は10時間くらいで出来るのかな?と思いきや40時間程使いました。想定よりも大変です。(89/100点だったのでやりすぎではありましたが)
楽ではなかったので3級をギリギリまで申し込むか否かを迷っていました。そのせいで勉強開始は5月30日頃となってしまいました。受験日の6月21日まで3週間程しかありません。
まず、4級受験の際に購入した仏検公式ガイドブックで3級の問題を解いてみます。
困りました。得点率は10-20%程です。全然分かりません。4級の知識をリフレッシュすることのみならず、新たに学ぶ必要があることも多そうです。しかし焦る必要はありません。まだ3週間あります。まとまった時間を取れる休日に換算するなら6日・フルデイを活用出来ます。
仏検は日曜午後でしたので最後の土曜・日曜午前も活用すればギリギリまで投入時間を増やせます。
ここでおすすめしたいのはまず最初にやるべきは時間の確保・投入の決意です。
仏検に限らずあらゆるものはそうですが、基本的に効率も・成功率も投入時間と明確に比例します。効率の良い勉強方法にも、時間を投入しなければ到達しません。
効率の良い方法を探す前にまず時間を投入する決意をしましょう。すなわち、休日はすべてフランス語に捧げましょう。
たった3週間・週末のことです。迷わず決意しましょう。これがとにかく大事。
ただ、全てとは言ったものの実際休日の勉強時間は約5時間/日だったと思います。
勉強方法
実際に私が辿った勉強方法はおよそ以下です
- 過去問を一度解く・解説をなんとなく見る
- 教えて仏検先生!を繰り返し解きながら分からない箇所をChatGPTに聞いて繰り返す(中核)
- 仏検3級スピード合格を問題週として活用し、問題を解くことに慣れる
- 2026年版過去問で2025年2回分の問題を解き弱点の発見と対策を続ける
1は解説を見てよく分からなくてもあまり気にしないで下さい。公式ガイドブックの解説はかなり分かりづらく、これを見て勉強するのはあまり効率的ではありません。
また、点数が悪くても気にする必要はありません。まず過去問を見るというのは現状と目標とのギャップを認識することにあります。過去問を見て、課題を把握することは最優先にしましょう。
勉強の効率をよくするためには出題頻度の高い基礎問を中心に対策をしたい所です。これに適した教材が「教えて仏検先生」です。発売日は2010年とかなり古いのですが、問われる内容は大きく変わってはいません(語彙を問う大問の出題方法は変わってます)。
こちらは過去10年の出題傾向を分析し、頻度順に練習問題を組んでくれている本なのでこの本の高頻度問題をマスターすれば高い確率で合格を見込めます。
基礎問をミスなく・当たり前を当たり前に、これは受験に限らずスポーツを通じて学んだ勝利への法則です。難問・奇問は捨てて基礎問をミスなく、が試験の基本ですね(仏検3級では難問・奇問というレベルの出題はほぼありませんが、正答率が10%代のような問いはあります。これは捨ててよいでしょう)
また語学に特に顕著ですが、「確固たる論理のもとに正解を判断出来るようにしよう・順々に文法を攻略しよう」という方法はやや非効率に感じます。これは私の特性かもしれませんが、私の場合は「なんとなく、感覚で解けるように体に言語をなじませていこう」というアプローチを基本としました。
フランス語が体に馴染んでくると「LuiなのかLeなのか、enなのかyなのか」悩んだ際にも「普通はこう表現するような気がする」で解けるようになります。
言語を体に馴染ませる、重要な発想ですね。私の場合は「enのXXXという用法はこれだから…」「直接目的語は…」という判断方法が苦手だったので「なんとなく解ける」を目指しました。
なんとなく文章を書く、なんとなく日々フランス語で考えてみる、など「なんとなく勉強」は効果的であったと思います。何もデスクに向かっている時間だけが勉強時間というわけではないのです。
体に言語を馴染ませることを日常生活でも意識していきましょう。なんとなく解けるようになります。
語学学習へのAI活用
ChatGPT様々です。家庭教師として素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれます。
分からない問題の写真を撮影し、質問していけば素晴らしい指導をしてくれます。現代の画像認識は本当にすごい。
基本的に独学が好みの私にとってはLLMは革命的な存在です。何かを学ぶ際に「人に聞く」というボトルネックを鮮やかに解決してくれました。
(ちなみにこれは仏検3級のような基礎的な勉強だから機能するのであって、ビジネスの場では過大評価するべきではありません)
AI活用方法としては主に以下の用途で使いました。
- 問題の写真を撮影し解説してもらう。問答する。(最近の文字・画像認識は本当にスゴイ)
- 思いついた文章をフランス語でなんと表現するのか解説してもらう(「例えば、これから自転車でオフィスに向かいます」など)
- 自分が考えたフランス語の文章を添削してもらう
ちなみにですが、英語ライティングも日本語を丸投げで翻訳してもらうのではなく、英語で書いた文章を添削してもらう、とすると日々の仕事の中でも英語ライティングを上達させられます。
私個人の趣向ではありますが、AIにお任せ、というのが好きになれません。むしろAIが自分の学習を効率的にしてくれるおかげで自分自身の幅が広がるというのが好きですね。
得点戦略
比較的簡単な問題を確実に得点し、難易度が高い大問2(活用・スペリング含む)及び大問5(語順問題)は相当落としても合格するように得点戦略を組み立てました。
満点狙いたい:
- リスニング2,3
- 筆記 8,9
8割狙いたい:
- 筆記3,4,6,7
半分解ければよい:
- リスニング1(ディクテ)
- 筆記1,2,5(スペリング・活用・語順)
特に2,5は常に低得点率でしたのでここでの失点は前提にします。
問題を解く手順も9→8→7…と容易な問題から着手し、気持ちを低下させることを防ぎました。
「解ける解ける」と気持ちを軌道に乗らせるのは本番のメンタルコントロール対策です。
最初から2に手をつけると「分からない…勉強したのに…」というメンタルの下落を受けてしまいます。
大問別攻略方針
大問別の攻略方針を簡単にまとめます。注意点としてはあまり個別大問別対策だけに固執しないことです。1(慣用句)対策としてやっていたことがそのまま出るわけではありませんし、5(語順)では総合的な力が問われます。
フランス語を書く・口で話す・考えるを繰り返している間に徐々に全体のレベルが上達していくので「問題対策」という学び方だけにならないようにしましょう。何よりも、試験対策として勉強すると面白くなくなります。フランス語を書く・話す・考える、時間を増やして体に馴染ませましょう。
大問1:慣用句
スペリングを含むため普段どれだけ文章や語句を書いているかが問われます。よく見る表現についてはノートに書いてスペリングも出来るようにしておきましょう。
仏検先生+スピード合格の問題が出来れば50%程は得点出来るでしょう(全部カバーは出来ません)。後は運です。
大問2:活用
最難関です。半過去・複合過去・単純未来・ジェロンディフあたりが良く出る。ただし、どの活用をさせるべきか把握し、スペリングも含めて出来なければ正解出来ません。
活用を理解していないと他の問題で必要な読解でも苦労するのでまず、理解はしましょう。半過去や単純未来のニュアンスを例文を通じて理解し読解は少なくとも出来るようになってきましょう。
ちなみに英語に馴染みがある人はフランス語の文法は英語の方が遥かに理解しやすいと思います。
私も移動時間ではyoutubeの英語コンテンツをよく聞いていました。
日本語の文法用語で勉強するほうが私には難しく感じました(半過去、直接目的語、間接目的語などの概念を日本語にすることが困難に感じます)。前置詞なども英語に置換した方が学習は楽です。
オマケ:歴史的背景
ノルマン・コンクエストの歴史的な背景もあり、ゲルマン語派である英語に対しフランス語は大きな影響を及ぼしています。こういった歴史的な背景とともに勉強すると楽しいですね!
フランス語・スペイン語・イタリア語はロマンス語というグループであり、共通点を多く発見出来ます。
仏検で超頻出単語である”Parler”(話す)はイタリア語では”Parlare”です。イタリアで”Parlo italiano”(パルロイタリアーノ)とカタカナ発音で言えば通じます。
他にも語学を面白いことは沢山あります。フランス語で右はDroit。そして「真っ直ぐ」もDroitです。区別のため、「真っ直ぐ行く」と言いたい際にはtout droitと表現します(toutは「全て・完全に」のニュアンス)。
英語で右はright, 正しいもrightというのと同じ考えですね。また、Droitには権利・法律という意味もあります。英語でもrightは権利ですね。そして左はGauche。こちらは「ぎこちない」という意味です。
単語を覚える際にはラテン語まで遡ると面白いことが沢山見つけられます。
大問3:代名詞
文法を勉強すれば得点を取りやすいですね。高得点を狙っていきましょう。
大問4:前置詞
これも文法勉強だけでかなり攻略出来る問題です。慣用句含め勉強し、高得点を狙っていきましょう。
大問5:語順
総合力が問われます。特に否定・代名詞・複合過去が混ざったものなど混乱するものも多いので例文を暗記するレベルに問題集をやり込むことで攻略していきましょう。仏検先生とスピード合格の問題集を繰り返し解いたことでかなり得点力は上がりました。
大問6:応答分
会話の流れが掴めると解けます。A→B→Aと会話が進みBの応答分を選びます。
結構多いのが
- A : なんかしましょう/してください
- B:いやです
- A:いやなの?こうなっちゃいますよ!/それなら仕方ない、こうしますよ
という流れです。この流れを読み取れないと正しい回答が出来ないので特に最後のA発話内容を正しく読解出来るようにしましょう。
大問7:語彙
語彙を知っているか否かですね。これは単語帳をやっておけばよかったと感じさせる問題です。
ただし単語帳をやらなくてもスピード合格に乗っている語彙(200語程)を知るだけで効率的に得点出来るので最低限スピード合格の語彙は知っておくことを強く推奨します。
大問8:長文
かなり簡単です。最初に日本語の文章を読めば、問われている内容がわかりやすくなるでしょう。
大問9:会話文
“Combien”や”Qu’est-ce que”などの選択肢から選び会話を完成させます。出てくる表現が限定的なのでこちらも対策をすれば比較的高得点を狙いやすいです。
私の受験結果
72/100でした。
ミスしてしまったな、という問題もあれば「なんとなく」で解けてよかったな(Attention, Boulangeの書き取り等)という問題も混ざっていたので実力並だったと思います。
予想外に語順問題を全問正解を出来たことは嬉しかったです。
そしてかなりの時間を投入した活用問題が全滅でした(泣)。
昨年受けた仏検4級が89/100点だったのでそれと比較すると大幅に低くなっています。
やはり筆記での大失点は痛い。次の準2級、ひいてはフランス語を日常レベルで扱えるためには活用・筆記は回避出来ません。引き続き努力していこうと思います。
フランス語を学ぶ効果
多くの人に「何故フランス語を勉強しているのか」と聞かれるのですが、はじめに、で記載した通り特段目的はありません。
ただこういったものはやってみると色々と出てくるもので今の所、以下の効果が確認出来ています。
- カフェなどでフランス語話者と隣になった際に軽い雑談が出来る
- 旅行に行った際の楽しみが増す
- 意外とフランス語由来なものに気付く(プリン・ア・ラ・モードなど)
- ケベック出身カナダ人とフランス語で会話が盛り上がる
- 商談でフランス人がいることもあるので雑談が盛り上がる
- ロマンス語を学ぶことに抵抗がなくなる
- 新しい言語を勉強することは純粋に楽しいことを発見出来る
- ファッション業界や一部ヨーロッパが強い産業にいると有用だったりする
オマケ:私と語学
実は私が最初に語学学習をしたのは幼稚園に遡ります。すなわち、インドに行き生活が完全英語環境になったときです。
幼かったため、どうやって英語を覚えたのかはあまり覚えておりません。むしろ日本に帰国した際に日本語で苦労した方がよく覚えています。そして日本とインドのカルチャーギャップもとても苦労した覚えがあります。
その後は日本に住んでいたので私の英語は10歳で一旦停止しています。再度本格的に使い始めたのは3年程前からです。直近1-2年前からは意識的に英語での仕事を増やしていきました。
今では社内のチームメンバーや外部との会議も英語で進めることが相当に増えました。現在も欧州・北米向けの仕事が増えております。
自分の英語レベル向上としては以下段階で伸びたと思います。
- インド生活
- 大学受験生時代
- 業務(今)
そして意外と業務内での成長幅が最も大きい。ライティングに関しても丸投げで翻訳するといつまでも成長しないので自分で書いて→AI添削してもらうというのを繰り返すようにしています。
他には旅行に行く前には簡単に現地の歴史・言語は予習していくので色々な言語に触れています。
短期駐在していたタイ語は文字含め少しだけ分かります。
まとめ
語学学習は趣味として楽しいですよ!